東京都港区は、日本を代表する都心エリアとして、各国の大使館が立ち並ぶエリアなどがあり、国内外の投資家や居住者に高い人気を誇る地域です。その特性は物件種別ごとの価格動向や間取りの傾向からも明らかで、エリア全体として非常に多様なニーズに応える不動産市場となっています。以下に、2024年12月初旬時点で見た、主に成約物件の価格や面積、築年数、ならびに現在の港区のエリア特性について詳細な分析をお届けします。


1. マンション市場の特徴

単身用成約物件平均値
(面積:26.67㎡/価格:3869万円/築年数:1997年)

港区の単身用マンションは、利便性を重視する若年層や都心に拠点を置く単身者に支持されています。築年数はやや古め(1997年)ですが、価格帯は手ごろであり、都心の交通利便性を享受したい層には根強い需要があります。

1LDK・1SLDK成約物件平均値
(面積:51.84㎡/価格:9390万円/築年数:2001年)

広さが増し、価格も大幅に上昇するこのタイプは、DINKS(共働きの夫婦)や単身の富裕層がターゲットです。平均築年数が2001年と比較的最近のため、内装や設備面でも一定のクオリティが期待できます。

2LDK・2SLDK成約物件平均値
(面積:72.67㎡/価格:1億6370万円/築年数:2005年)

価格が1億円台に乗るこのカテゴリーは、港区ならではの高級志向が色濃く反映されています。広さ的にファミリー層も視野に入りますが、実際にはパワーカップルや高所得者が主要な購入層となっています。

3LDK・3SLDK成約物件平均値
(面積:92.90㎡/価格:2億2011万円/築年数:2006年)

3LDKは港区の高級マンション市場を象徴する間取りです。価格が2億円を超える物件が主流で、広いリビングや高層階からの眺望など、ラグジュアリーな要素が求められる傾向があります。

4LDK以上成約物件平均値
(面積:110㎡/価格:1億7050万円/築年数:1998年)

平均坪単価や価格帯が3LDKよりも低いのは母数の少なさや物件ごとの特性が影響しています。このカテゴリーは、大型ファミリーや複数世帯での居住を想定した物件が中心ですが、実際の市場需要は限定的です。


2. 戸建て市場の特性

成約物件平均値

(価格:2億8361万円/土地面積:95㎡/建物面積:148㎡/築年数2003年)

港区の戸建て市場は、マンション市場に比べて供給が限られており、非常に高価格帯で推移しています。土地面積95㎡、建物面積148㎡という広さは、都心の戸建て市場では珍しい規模です。築年数2003年と比較的新しい物件が多く、高所得者層や外資系企業の駐在員などが主なターゲットです。


3. 土地市場の傾向

取引物件平均値

(価格:9211万円/土地面積:157.12㎡/平均坪単価:193.46万円/坪)

土地の平均坪単価176万円は、港区のブランド価値や需要の高さを物語っています。広さ157㎡と広大な土地が取引の対象となることが多く、これらは再開発や投資目的での購入が中心です。特に、開発可能な土地は市場での競争が激しく、取引価格が上昇する傾向にあります。


エリア特性のまとめ

  1. 高級志向と多様性の融合: 港区は高級マンション市場の中心地でありながら、単身用から大規模ファミリー向けまで多彩な選択肢を提供しています。

  2. 築年数と価格のバランス: 築年数が比較的新しい物件が多い一方、価格帯は全体的に高水準で、特に2LDK以上の物件では富裕層向けの傾向が顕著です。

  3. 需要層の多様化: 単身者、パワーカップル、高所得ファミリー、投資家など、多様な層がターゲットであり、それぞれに特化した物件が存在します。

  4. エリア間の競争: 港区内でも麻布十番、六本木、白金台、青山一丁目といったエリアでは特に需要が高く、これが価格をさらに押し上げる要因となっています。


港区の不動産市場は、高価格帯でありながら、多様なニーズを受け入れる柔軟性が特徴です。

このエリアの物件を購入するということは、居住だけでなく資産運用の観点からも有望と言えます。

また、港区で比較的お手頃に住める駅やエリアを考える際には、土地のブランド価値や需要、エリアの利便性が価格に影響を与えます。麻布十番、白金台、六本木、青山一丁目などの高級エリア以外で、価格が相対的に安めの設定となっているエリアも以下にまとめました。


1. 価格が比較的安めの駅・エリア

品川エリア

  • 泉岳寺駅(京急本線・都営浅草線)
    • 品川駅から一駅でアクセス良好ですが、他の港区主要エリアに比べると知名度が控えめ。
    • 駅周辺には住宅街が広がり、比較的手頃な賃貸物件も見つかります。

港南エリア

  • 天王洲アイル駅(東京モノレール・りんかい線)
    • 水辺の都市開発が進むエリアで、タワーマンションが多いですが、一部の築年数が経過した物件は手頃な価格帯。
    • 品川に隣接しており交通の便も良い。

芝浦エリア

  • 芝浦ふ頭駅(ゆりかもめ)
    • ゆりかもめ沿線で、オフィス街や港湾施設が多いエリア。
    • 都心の中では賃貸価格が控えめで、単身者向け物件が豊富。

2. ローカル感がある静かなエリア

芝公園駅(都営三田線)

  • 特徴
    • 東京タワーや増上寺が近く、観光地としての知名度は高いものの、住宅エリアとしては目立たない。
    • 比較的リーズナブルな賃貸物件が見つかることも。

3. 再開発で注目されるエリア

汐留エリア

  • 汐留駅(ゆりかもめ・都営大江戸線)
    • ビジネス街として知られていますが、ファミリー層やカップル層にとっては比較的安めの物件が多く、利便性重視のファミリーやカップルが住むには比較的手頃です。逆に単身用は割高感があります。
    • 築年数の古いマンションが選びやすい。

台場エリア

  • お台場海浜公園駅(ゆりかもめ)
    • 港区の外れに位置し、ファミリー向けの広めの物件が手頃な価格で見つかることも。
    • 駅近でない物件は特に家賃が抑えられる傾向。

4. 港区の境界近くで割安なエリア

田町駅・三田駅(JR山手線・京浜東北線/都営浅草線)

  • 再開発が進む田町駅周辺は、物件価格が上昇傾向ですが、三田寄りのエリアは割安感があります。
  • 築年数が古い物件や駅徒歩10分以上の物件を狙うと、手頃な価格で住める可能性が高い。

エリア選びのポイント

  • 築年数と駅距離の影響
    • 築年数が経過したマンションや、駅徒歩10分以上の物件は、同じエリア内でも価格が抑えられる傾向。利便性を重視したいがお手頃な価格の物件を狙いたいとなると、ブランド力のある駅は避けてその前後のお手頃価格の駅の物件を狙う方が無難。
  • 再開発やブランド価値
    • 麻布十番や白金台、青山一丁目のような高級エリアを避けると、価格帯はかなり下がる。
  • 単身向け vs ファミリー向け
    • 単身者向けは芝浦ふ頭や天王洲アイル、ファミリー向けはお台場海浜公園や港南エリアが狙い目。利便性を追求するなら意外と汐留辺りも面白かもしれません。単身向けとファミリー向けで価格がかなり変わるエリアもありますので、一概にブランドだけで考えず総合的な目線でお考えいただくことをおすすめします。

港区は全体的に高価格帯が目立つものの、知名度やブランド力が相対的に低いエリアや築年数の経った物件を選べば、手頃な価格で住む選択肢も十分に見つけられます。

最新の市場動向を把握し、的確な判断をサポートすることが、私たちの役割です。

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